英単語やフレーズをたくさん覚えても、自分の言いたいことを英語で言おうとするとパッと単語が出てこない・・・ということはありませんか?
それは日本語をそのまま英語に置きかえようとしているからです。
今回は、現時点であなたの持っている単語力や語彙力だけで英語を伝える技術を身につけていただきます。
自分の言いたい日本語に英語を合わせるのではなく、自分の日本語を手持ちの英語に近づけるというのが本日紹介する「言いかえの技術」です。
今回チャレンジするのは、大地震の直後に流れる次のような放送です。
- ①「余震に警戒して避難してください。」を英語にしてください。
- ②「余震に警戒して避難してください。」をやさしい日本語にしてください。
- ③「後から来る地震に気をつけて逃げてください。」を英語にしてください。
- 外国人でも小学生にでも理解できるようなやさしい日本語にするだけであなたの英訳力を劇的に上げることができます。
①「余震に警戒して避難してください。」を英語にしてください。
①を翻訳ソフトにかけた結果はこちらⒶです。(①と後述する③との英訳結果を主観を入れずに比較するため、あえて翻訳ソフトを使っています。)
Ⓐ Please evacuate being cautious of aftershocks.
単語の意味は、「evacuate:避難する、 cautious:注意深い、aftershock:余震」です。
地震で逃げようというときに、これらの単語をサッと使うのはなかなか難しいのではないでしょうか。
日本語をそのまま英語にしようとすると結構やっかいな英文になってしまいますね。
ではどうしたらいいか。
「余震に警戒して避難してください。」を、外国人や子供にもわかるようなやさしい日本語に言いかえてから英語にすることを考えます。
②「余震に警戒して避難してください。」をやさしい日本語にしてください。
後から来る地震に気をつけて逃げてください。
としてみましょう。いろいろな表現があると思いますが、辞書を見なくても英語にできるところまで日本語を言い換えます。もちろん人によって違います。この過程が今回のポイント。非常に大切です。
次にこれを英語にします。
③「後から来る地震に気をつけて逃げてください。」を英語にしてください。
①で使ったものと同じ翻訳ソフトにかけると、
Ⓑ Please run away being careful of the earthquake coming later.
余震(aftershock)という単語を知っている人ならⒶのように短い文になりますが、この単語を知らない場合は the earthquake coming later と少しばかり長めにはなります。でも、なんとか自分の知っている単語で英語にすることができました。
「いやいや、こんな単語(Ⓑで使われている単語)も自分は知りませんけど・・」という人も大丈夫です。これはひとつの例ですから。
「地震:earthquake」を知らなければ「揺れ:shake」も使えますね。(It's still shaking!)
「shake」がわからなければ、とりあえず「まだ危ない」(It's still dangerous!)と言ってしまってもいいでしょう。
大事なことは、日本語を、今のレベルの自分が知っている英語に近づけるということです。「英語の語彙力」というより「日本語の語彙力」が武器になるんです。
人それぞれの英語訳(=日本語訳)になっていいんです。
その場(今回は外国人を避難させるという災害現場)はとりあえず自分が知っている単語で切り抜けて、知らなかった単語は、家に帰ってから後でゆっくり調べればいいのです。このようにして覚えた単語は自分の記憶の中にしっかり定着しますよ。
はい!本日の大事な結論です。
外国人でも小学生にでも理解できるようなやさしい日本語にするだけであなたの英訳力を劇的に上げることができます。
日本人が普段、何気なく話している難しい日本語を、そのまま英語に置きかえようとするのは非常に難しいのです。もっと簡単な、外国人でも小学生にでも理解できるような、やさしい日本語にするだけであなたの英訳の力は劇的に高まります!
普段使っている日本語をやさしい言葉で伝えるトレーニングは、英語を使うときだけじゃなくても日常の生活の中でいくらでもできますね。
・日本英会話普及協会(JEEPA) https://jeepa.jp/ で木曜日のブログを担当しています。よろしかったらこちらにも遊びにきてください。